知らなければ手遅れに!?「女性ボーカルバンド」成功の秘訣

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

「女性ボーカルのバンド」というのは、成功するのが難しい分野だ。

でもすべてという訳ではなくて、ギターロックと呼ばれる「女性ボーカルがギターを抱えて歌う」ロックバンドでの話。

あまり意識している人は少ないかもしれないが、これは事実だ。

そんな中、飛びぬけて売れている数少ない女性ボーカルバンドを研究していて見つけた、「女性ボーカルバンドが成功するために必須だと思われる大事なポイント」を共有したいと思う。

もし、これを読んでくれている君がバンドマンなら、最後まで読み終える頃には、バンドに対しての考え方が変わるかもしれない。
 
今後のバンド活動の役に立つ気付きを、何か1つでも得てくれたら嬉しく思う。
 

「女性の魅力を最大限に活かせるバンドスタイル」を築けているかどうか

「女性の魅力を最大限に活かせるバンドスタイル」と聞くと、多くの人が首をかしげるかもしれない。
あまりこういうことについて考えている人は少ないだろう。
 
でもこういう視点を持っていないと、いくら才能があっても、いくら頑張っても努力は報われない。
特に女性ボーカルバンドの場合は、ここで間違ってたら何をやってもバンドは売れない。それだけ重要な話なんだ。
 
でも、これを説明する為にはその前に「男性ボーカルバンドに比べて、女性ボーカルバンドは売れにくい」という事実を認識してもらわないといけない。
 

女性ボーカルバンドが売れにくいのはなぜか?

「売れる」というのも人それぞれ基準がある。
 
  • 大型フェスに出れるようになったら
  • ワンマンツアーが出来るようになったら
  • Mステなどのテレビ番組に出るようになったら
  • 音楽雑誌の表紙を飾れるようになったら
  • youtube再生回数が100万回を超えたら
 
このように「売れる」という言葉を何を基準に考えているのかも、バンドの成功として何を目指しているのかも、人によって違うと思う。
 
でもやはり武道館とかアリーナツアーが出来るような、常に集客できるバンドになっていかないと、音楽だけで収入を得て生活し、それをずっと長い間続けることは難しいだろう。何より一番大事なのは、沢山のファンの心を強くつかみ、大きなキャパのステージでライブが出来ることだと思う。
 
音源を作っても買ってくれる人がいなければ、ライブをしてもチケットを買って見に来てくれる人がいなければ成り立たないのが音楽業界だよね。
 
それを踏まえて「売れる」という言葉を、「数千人以上の大規模なキャパでコンスタントに全国ツアーが出来るくらい人気がある状態」と定義しよう。
 
 
さて、過去数年間を振り返ってみても、武道館やアリーナでの単独ライブが出来るバンドというのは、男性ボーカルバンドばかりであり、女性ボーカルのバンドはほとんどない。
 
  • SHISHAMO
  • チャットモンチー 
  • 相対性理論
  • パスピエ
  • SCANDAL
  • ねごと
 
これに対して、男性ボーカルバンドは30組以上いる。つまり男性ボーカルバンドに比べて5分の1くらいしかいないということだ。
 
女性ボーカルの絶対数が少ないというのももちろんあると思うが、それにしても男性ボーカルバンドよりも人気を得ていくのが難しいのは間違いないだろう。
 
なぜ女性ボーカルバンドは売れないのか?
 
このことについては、すべての女性ボーカルバンドが向き合わなければいけない問題だと思う。
 
そしてその原因の1つは、「女性が生来もつ魅力」と「バンド」というスタイルの相性が良くないことにある。
 

そもそもバンドは男がやる方が有利なものである

バンドというのは荒々しく、生々しいものだ。
豪華なストリングスとか、シンセなどを重ね、ゴージャスに作りこんでいくソロアーティストとは全く正反対の魅力を持っている。
  • 作りこまない良さ
  • 荒々しいカッコ良さ
  • 生々しさ

そしてこういう魅力は、やはり男性的な魅力とマッチしやすい。

だからバンドというものは、元々男がやる方が有利な分野なんだ。
 
女性ボーカルバンドとしてバンドで勝負するなら、「女性にしか出せない魅力」を出し、それをバンドの魅力とマッチさせなければ、男と同じようなスタイルでバンドをやっても男に見劣りしてしまう。
 
「格闘技」とか「スポーツ」が男性に向いているのと同じで、バンドは男性に向いているものなんだ。
「格闘技」も「スポーツ」も、もちろん男女両方ともプロの選手がいて、アスリートと呼ばれる人達も沢山いるけど、男性のトップ選手と女性のトップ選手をハンデなしで戦わせたら、基本的にほとんどの分野で男性の方が強いよね。それと同じでバンドというものは男性がやる方が有利なんだ。
 
これはもう、男女に生来備わっている本質的な違いからくる魅力の問題だから、受け入れざるを得ない部分だ。
 
では、どうすればいいかというと、男性には無い女性ならではの魅力を活かす必要があるということだ。
 
要するに元々持っている自分の個性を生かすことを考えて、その中で最高の選択肢を取っていかなければいけないということ。
 
だから、女に生まれたのであれば、男にはない「女性ならではの強み」を生かしてバンドを作り上げていく必要があるんだ。
 

女性の持つ魅力と、ギターロックバンドとの相性について

ではここで、「女性ならではの魅力とは何か?」という事について考えてみよう。
男よりも明らかに優れている部分はどんなところだろうか?
  • 華やかさ
  • 女性の色気(セクシーさ)
  • かわいらしさ
色々あると思うけど、まあこの辺りだと思う。
ではこれらについて、詳しく説明していきたい。
 

女性の持つ「華やかさ」とは?

「華やかさ」というのは、きゃりーぱみゅぱみゅや椎名林檎、ジュディマリのYUKI、そして小林幸子(笑)などがやってるような、コスプレやファッションショーを思わせる派手な衣装で着飾ったりする魅力のこと指している。
 
ああいうのは、男がやるのは完全にご法度。見る度に髪型も変わって、時にはカツラもかぶって、見た目をコロコロ変えたりすることも、女性だからこそ出来ることだ。
 
でも、こういう魅力というのは、バンドで出せる魅力とマッチさせるのが難しい。いろんなバリエーション、いろんな切り口で自由に売り出せるソロアーティストの方が合っているんだ。
 
なぜならバンドというのは、1つの世界観に徹底してこだわり、その一貫した世界観を武器にしていかなければいけないからだ。ボーカルの見た目や印象がコロコロ変わってしまうようでは、一貫した世界観を伝えることは難しくなってしまう。
 
ボーカルがポップアイコンになれるほどの濃いキャラを持っていて、なおかつ毎回違う髪型をしていても、全く違う衣装をしていても誰もが本人だと分かるような個性が必要になる。
 
椎名林檎はそれが出来る数少ないアーティストだからこそ、東京事変は成り立っていたと思うし、なかなか出来ることではない。
 
こうした魅力を武器に人気を得てきているバンドもいるけど、ソロアーティストの方がやりやすいことであるのは間違いない。
 

女性の色気とギターロックの相性

次に「女性の色気」だけど、これはあまりギターロックバンドには向いてない。特に叶姉妹のような大人の女性が持つような「女の色気」というか、「セクシーさ」とギターロックバンドというのは最悪な組み合わせだ。
 
ボーカルがギターをかき鳴らして感情を吐き出すように内面をさらして歌うギターロックというジャンルと、性的なセクシーさというものは完全にミスマッチであり、下手するとイタい感じになってしまう。
この部分の定義は難しいんだけど、椎名林檎のように「男に媚びる雰囲気がなく、女性から見てカッコいい色気」ならいいんだけど、アイドルが持つような「男に媚びる感じの色気」とギターロックは最悪な組み合わせとなる。
 
ギターロック系のバンドのほとんどが、スッピンかナチュラルなメイクなのはそれらが理由だ。
恐らく色々試した結果、みんなそこに落ち着いていくんだと思う。派手なメイクや男に媚びるような女の色気はギターロックというジャンルとは合わない。「凛として時雨」の345が濃い口紅を塗って肌を露出し、ミニスカートにハイヒールだったら、、、明らかに音楽とミスマッチだよね笑

ギターロックとベストマッチな「かわいらしさ」

で、唯一女性ボーカルのギターロックバンドが武器にしやすいのは「かわいらしさ」だ。かわいらしさとは言っても、Tシャツが似合うようなボーイッシュな一面を持つものだ。
 
ボーイッシュなかわいらしさというのは、パンキッシュなものとも相性がいいし、ギターをかき鳴らしながら感情を吐き出すギターロックともバッチリだ。
 
そしてそれを1つの形にしたのが、チャットモンチーだ。チャットモンチーも武道館を経験しているし、ドラムが抜けて2人になってしまったが、今でも活躍しているバンドだよね。
 
残念なことに、女性ボーカルのギターロックバンドのほとんどが、男さながらの派手なパフォーマンスで、「男のようなカッコ良さ」を出そうとしている。それだとどうしても同じようなことをやっている男性アーティストの方がカッコよく見えてしまうんだよね。
 
でも、チャットモンチーはあくまで女性らしく「かわいらしさ」を失わなかった。そのバランス感が、女性がギターロックバンドをやるにあたっての1つのベストな答えだったと思う。ある意味、楽器が似合わない感じというか、不釣り合いな感じが逆にいい・・・みたいな感じ。
 
SHISHAMOもチャットモンチーが作りあげた路線を、正当に受け継いでいるバンドだ。
 
女性の持つ強みである「かわいらしさ」を、ギターロックに落とし込んだチャットモンチーのスタイルをしっかり取り入れたバンドなんだ。
 
だからこそ「女性であること」や「バンドであること」が武器になり、絶対に男性に負けることがない魅力を持つことが出来ているということなんだ。
 
実際、チャットモンチーやSHISHAMOの男性版が出てきたとしても、イマイチなバンドになるのは明白だよね(笑)
 
メジャー、インディーズ問わず、日本全国のバンドマンがライバルとなるインターネットという場所で人気を勝ち得ていくためには、誰にも負けない魅力を持てるように、「自分の元々持つ魅力を生かせるバンドスタイルを追求すること」がまず大事だということ。
 
事実、チャットモンチーやSHISHAMOは男性バンドのようなカッコ良さは全く持っていないよね。あくまで女性として、女性らしさを大事にしながらバンドをやっている。
 
これが出来ていないと、才能があっても、いくら努力しても、ハンデを背負って日本中のライバルと戦うことになってしまう。
 
自分が女性であることを武器に出来るバンドスタイルを取り入れているからこそ、有利な戦いが出来ているということだ。
 

まとめ

今回は、「女性ボーカルであることを活かして、ギターロックというジャンルの中でどう戦うべきか」という話だったんだけど、これは女性ボーカルとかギターロックとかだけではなくて、ミュージシャン全てに当てはまる話だ。
 
要は「元々持っている人間的な魅力は何か?」と考え、「その魅力を最大限に活かすことの出来る音楽ジャンルやスタンスはどんなものか?」ということが念頭にないと、日本中の数えきれないほどあるバンドの中で飛び抜けることは難しいということだ。
 
逆に言えば、自分が労せず「日本でトップクラス」の魅力を持つことが出来る組み合わせを見つけて、そこをブラッシュアップしていけば、周りのバンドから頭1つ飛び抜けたバンドになることは難しくない。
 
「とりあえずライブ」とか、「とりあえず新曲づくり」とかって活動をする前に、今一度バンドの魅力とスタンスについて見直してみるといいかもしれない。
 
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*