SHISHAMOはなぜ、こんなにも売れるのか?

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 ずっと前から気になっていたバンド。最近になって、なんでこんなに売れるのかと思ってその原因を追究していたら、僕自身がハマってしまったw
 
調べれば調べるほど絶大な人気を誇る理由がどんどん出てきて、「これはもう売れて当然だな…」という結論に達したので、「ぜひ誰かに共有したい!」という欲求が生まれ、これを書くに至っている。
 
というわけで、SHISHAMOはなぜ売れるんだろうと感じている人がいたら、参考になるんじゃないだろうか。
 

一過性ではない、長くファンの心をつかむ力

 
SHISHAMOが絶大な人気を誇る理由の1つに、歌詞の秀逸さがある。
 
ミュージシャンが売れるかどうかを分けるポイントとして、歌詞はものすごく大事な要素だ。
 
まあ「歌詞が重要だ」ということくらい誰でも知っているだろうし、今さら何を…って思ったかもしれないが、その深い理由まで考えたことがあるだろうか?
 
SHISHAMOのことを調べていくうちに、10代の女子を中心に歌詞がものすごく支持されていて、それが一過性ではない「長くファンをつかむ原動力」になっていることを改めて感じた。
 
というのも、歌詞が人の心に深く刺さった場合、その歌詞を書いて歌っているアーティストに対して尊敬に近い好意を持つからだ。
 
考えてみてほしいんだけど、誰かの言葉で
  • 思わず感動して泣いてしまった
  • 目からウロコが落ちるような気付きを得た
  • その一言で救われた
  • 自分が抱えていたモヤモヤした気持ちを的確に言葉に表されているのを見て心が動いた

このようなことがあったら、その言葉を生み出した人に対して好意的な気持ちが湧いてくるのは誰でも経験していることじゃないだろうか。

 
BUMP OF CHICKENの藤原基央氏はその代表格だけど、とにかく歌詞で人の心をつかむことが出来たら、そのアーティストを好きになり、アーティストを好きになった気持ちっていうのはなかなか醒めない。
 
これについては、「一発屋と10年売れ続けるバンドの違いとは?」で書いたけど、アーティストを人間的に好きになってもらうことが、長くファンでいてもらうためにすごく大事なカギとなる。
 
沢山の音楽であふれている今の世の中で、長くファンの心をつかむためには、人間的に好きになってもらう必要性がどんどん高くなっていると思う。一時的に人の目をひくような話題なんていくらでもあるからね。
 
 
色々調べているうちにSHISHAMOの歌詞がとにかく僕の心にささりまくり、完全にファンになってしまったw
 
SHISHAMOの宮崎朝子は、自分のことを書いているわけではなく、多くがストーリー仕立てになっていて、その曲ごとの主人公になりきって心理描写をしているものになっている。この心理描写がとにかく秀逸なんだよね。
 
では、そんな片鱗をぜひ感じてもらいたい。僕が特に気に入ったものから1つ紹介してみよう。

まるでドラマのワンシーンを切り取ったような心理描写のうまさ

 SHISHAMO④に収録されている「きっとあの漫画のせい」。このライブ動画をまず見て欲しい。

そして、そのあとこの曲の歌詞を見て欲しい。

こんなに気分が落ち込むのは
別に、君が煮え切らないからじゃない
うぬぼれないでよ
 
きっとあの漫画のせいだな
女子目線で男のことを書いている曲。なにか男との事でショックなことがあってめちゃくちゃ落ち込んでいるんだけど、それを認めたくない。たまたま読んだ漫画のせいだ。という感じだ。もう少し続きも引用しよう。
 
今も私があなたを想って泣いてるなんて思うの?
笑わせないでよ
あなたにされたひどいこと
そんなの全部忘れたわ
あなたに言われたひどいこと
そんなの全部忘れたわ
だけど涙が止まらないのは
あの漫画の女の子が 惨めで可哀そうだから
私に似て可哀想だから
その男に何かひどいことを言われたりされたりして、本当は涙が止まらないのに強がっている。
それを無理矢理漫画のせいにしているという、、、この心理描写、ほんとにうまいなと。

心の深いところをエグる歌詞

 
歌詞が物語のようになっていて、その主人公になりきって歌うようなスタイルのバンドは他にもいくらでもいる。
でも、SHISHAMOの宮崎朝子はその心理描写がとってつけたものじゃなくて、心の奥の部分までうまく描写しているなーとつくづく感心してしまう。
 
宮崎の歌詞は、10代の女子を中心にものすごく支持されているみたいだが、そのキモとなっているのは、「自分じゃない主人公を客観的に表現するスタイル」であるという部分じゃないかと思っている。
 
宮崎の歌詞に多いのは、「もし自分の気持ちをのせるスタイルの歌詞だったら、絶対歌いたくない」と思えるような、人にはあまり見せたくない心の深いところにある部分を描いたものだ。
 
SHISHAMOは基本的に恋愛系の歌が多いけど、一般的に恋愛のうたと言えば「会いたくてもあえない~」とか「別れてつらいけど前向きに歩いていきたい~」とかそういう表面的な内容がほとんどだと思う。
 
でも宮崎の歌詞は、恋愛にまつわる「人には言えない心の奥底の気持ち」をうまく表現しているからこそ、沢山の人の心に響いているんじゃないかと思うわけだ。
 
だって、上で紹介した「きっとあの漫画のせい」なんて、もし宮崎自身の気持ちとして書いた歌詞だったら、「宮崎は過去に男にひどいことされてそれでも強がってたんだな」ってことになる。
 
それって人前でステージに立って歌える内容じゃないよね。「自分はかわいそうな人です」って言ってるようなものだ。
 
 
これまでの4枚のアルバムの中でも何曲かだけは、宮崎自身のことを書いているということだが、どれがそれなのかを明かしていなかったりする。宮崎は第三者の立場から、歌詞の中の主人公を描くスタイルだからこそ、こんなに深い歌詞を歌うことが出来るんだと思う。
 
この主人公は、本当はどういう気持ちなんだろう? って考えるのがすごい好きで。それは、曲ができてからも考えることがけっこう多くて——曲ができて、今度はレコーディングするじゃないですか。その時に、その子の気持ちがわかってないと歌えないんですよね。だから、書いて、歌う時になって初めて決まることも多くて。「この子、ここでこう言ってるけど、ほんとは違うんじゃないか?」っていうのを考えながら歌うっていうか。主人公が私じゃないんで、なりきって歌うっていうことを、いちばん大事にしてますね。
 
 
これまでSHISHAMOに興味を持っていなかった人も少しは興味が出てきたんじゃないだろうか。 

まとめ

SHISHAMOは高校生の軽音部で結成されて、高校時代にもう人気がでてあっという間にブレイク。もう今年には2度目の武道館ライブをしている。すごいよね。
 
あまりに早くスターダムに駆け上がったバンドだから、「業界の大人がうまくプロモーションでもしたんだろう」とか思っている人もいるかもしれない。
 
でも、真っ当過ぎるほど他にも沢山の「人の気持ちをつかんで離さないポイント」を沢山持っているバンドなんだ。つまりは売れるべくして売れているということだ。
 
 
他にもSHISHAMOが圧倒的な人気を誇る理由が沢山見つかったから、気が向いたらまた書いてみたいと思う。
 
ネット上に歌詞を載せたサイトはいっぱいあるから、ぜひそれをみながらYoutube動画を見てみて欲しい。おそらく僕と同じようにハマるんじゃないかなw
 
 
 
 
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